■■■ 女ひとり ■■■
〜音取りのヒント〜

 この曲は、調号に#が一つ記されています。
 「調号が#一つ」ということは、ト長調の曲ですので、音名「ト」の音が主音、すなわち「ド」です。
 どうしてそうなるのか、そうわかるのかについては、他の機会にご説明しますが、もっとも簡単に読譜を進めるためには、調号で最も右に書かれた
#の位置(高さ)を「シ」と読むと、他の音を、とりわけ「ド」の位置を簡単に見つけることができます。
 「#(シャープ)」なので「シ」と覚えると覚えやすいでしょう。ちなみに調号に「♭(フラット)」が書かれている場合は、最も右の♭の音の高を「ファ」と読めば、「主音(ド)」の位置を簡単に見つけられます。
 シャープは「シ」、フラットは「ファ」。だじゃれのようですが、主音をすばやく見つける手段として覚えておかれると良いでしょう。
◆ ハミングのフレーズの音程 ◆

この曲で正しく歌い出しの音程をとるのが難しいと思われるフレーズは、8小節目の主旋律を除いた三パートのハミングの部分ではないでしょうか。

とりわけ難しそうなのは、バリトンの「ミ」の音です。何かわかりやすい手がかりはないかと考えたところ、見つけることができました。
それは、伴奏を受け持っているお琴の旋律です。
その前の2小節で、お琴は次のような旋律を演奏しています。
お琴の演奏
このお琴の旋律の最後の音が、バリトンの出だしの音「ミ」なのです。
ですから、このお琴の音をよく聴き取り、最後の音を覚えておいて、その音から「ミ→ド→レ」と歌い出せば抵抗なく歌い出せるのではないでしょうか。
このような感じです。

次にバスの歌い出しですが、これはうまい具合にその前の主旋律の最後の音と同じ「ド」の音から歌い出すように編曲されています。すなわち、テナーの「〜おんながひとり」の「り」の音から「ド→ラ→ラ」と歌えば正しい音程が取れます。
こんな感じです。

そしてトップテナーですが、これは主旋律の「ゆうきに」の「ゆう」の音をオクターブ上で歌い出すつもりで「ラ→ミ→ファ」と歌えば良いので、わかりやすいのではないでしょうか。

こうしてそれぞれのパートの音が正しく歌われると、セカンドテナーの「ラ」と合わせて、下から「ラドミラ」という短調の主和音が美しく響くはずです。